「豈」(企画発行:筑紫磐井、編集:大井恒行)56号(2014年7月)から。
特集が5本。《攝津幸彦以前の「豈」・天国の攝津さんへの手紙》《攝津幸彦以降の「豈」・天国の須藤徹、長岡裕一郎》《第三次「豈」十年の新撰世代》《第三次「豈」の周辺》《関西シンポジウム「1970年~1980年代ニューウェーブ、攝津幸彦を読む」》。
筑紫磐井による関悦史論、関悦史みよる筑紫磐井『21世紀俳句時評』評掲載。
鮪食む子どもの中の髑髏(されかうべ) 花尻万博(第2回攝津幸彦記念賞・受賞第1作100句から)
枯芝にあり残雪の日本地図 恩田侑布子(第23回ドゥマゴ賞・受賞記念新作100句から)
夜の桜裸形を洗うしごとかな 金原まさ子(老鋭招待作家から)
骨色の牡蠣を酢で食い兄・弟
エレベーター無人あらゆる雲の峰 小津夜景(新鋭招待作家から)
人生のすべてが白玉にもどる
すいせんのにおいといくつかの否定的事象 鈴木瑞恵(新鋭招待作家から)
雨が降る枯野に酒を置いて来し 曾根 毅(新鋭招待作家から)
もの書く手宇宙の奥に秋灯 冨田拓也(新鋭招待作家から)
独立へ櫂を掲げて少年は 青山茂根
肩書の崩れやすきや心太 飯田冬眞
特別秘密保護法って何バナナジュース 池田澄子
宇宙解一滴たらす鍾乳石 丑丸敬史
仮の家に仮の花なる空蒼し 大井恒行
捕食の百足「在るは在る」言い続け 大橋愛由等
星きれい餓死という選択もある 大本義幸
きつね来て真昼の唄をしまいけり 神山姫余
きみの思想は北窓が明けてあり 川名つぎお
とことわにねじ花のぼるあめつちは 北川美美
蜘蛛型の閨房(ねや)にし潜む聖女かな 北野元生
アフリカの木を揺さぶって星を採る 北村虻曳
総背番号 身分証みなさくら色 倉阪鬼一郎
花嫁は普通に歩き冬に入る 小湊こぎく
カフカ読みレタスをしまふ冷蔵庫 小山森生
うつせみの銀河へつづく宇都宮 五島高資
氾濫を事とするなり遠桜 堺谷真人
とある日の節足動物なる枯葉 坂間恒子
ページ捲るたびてふてふが増える 杉本青三郎
春の空見てと始まる友の遺書 関根かな
悪しき霊生む春昼のゴミ袋 高橋修宏
大花野聖者溜りに出逢いたる
永遠は曲がるものなりとろろ汁 高橋比呂子
金雀枝と竈の灰のここちかな 津のだとも子
白百合の奥歯を噛みし癌病棟 夏木 久
結氷期顔無き夫立っており 成宮 颯
座敷わらしを串刺しにして稲架の列 萩山栄一
河童忌を犬の顔して過ごすなり 橋本 直
蜘蛛の囲の揺れやまざりし釈迦の夢 秦 夕美
バルコニーから虫をばらまく花婿だ 樋口由紀子
恋猫のひっそりとゆくジャンクション 堀本 吟
鬼の腕を濡らすひとすじ春の水 真矢ひろみ
父の日の夕日恋しき肉醤(ししびしお) 森川麗子
鉄線花ずらりと心理学者 森須 蘭
好奇心旺盛春の泥歪む 山﨑十生
アールデコの病院より投身 ハノイ 山村 嚝
素粒子の眞中にある伽藍かな わたなべ柊
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Ultraman Leo vs. Nova
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