2014年
私家版
『高知』は林亮(1953 - )の句集。この2年間の作から640句を収録。
作者は「草苑」を経て「草樹」所属。
潮騒と別の遠さに春の蝉
やはらかな線に鱵(さより)の泳ぎ去る
逃げ水の己こぼさず逃ぐるかな
夢二絵を求めてよりの夏風邪に
目と口のところに蝉の穴三つ
蚊柱を支ふるものを見てゐたり
思想書のあはれ焚かれず曝されて
轟きに導かれつつ雷の去る
サイレンの音棒飲みに旱空
早まはしして種からを貝割菜
折々にはなびらこぼす菊枕
踏まずとも消ゆることなし枯野道
葱折れて一本ごとに造形美
三人のごとくに凍てし雲三つ
山よりも高きに里のいかのぼり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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