2013年
青磁社
阪ひとし(1933 - )は「古志」所属。
1996年から俳句を学び始め、この『帆掛舟』が第1句集。序句:長谷川櫂。
魔法壜の酒を一口山を焼く
くわんと鳴りさうな鰆を抱へけり
行く春の水で薇もどしけり
父逝去。九一歳
なきがらの額に掌をあて大青田
み熊野の緑をのぼる帆掛舟
よき穴とみえて三匹秋の蛇
鹿去りて煎餅売のぽつねんと
どかと坐す秋の夕日のごとき壺
石仏の鼻も瞼も霜の花
べうべうと枯野のけしき黒茶碗
ぼろ布に鯉をくるむや初霞
身の丈に余る荒布を曳く媼
鍬の柄をつつと花蜘蛛今朝の秋
干あごを炙れば酒は夜長かな
伝書鳩もう春深き雲の奥
※本書は版元より寄贈を受けました。記して感謝します。
*****************************************************
Beethoven Symphony No 9 D minor Otto Klemperer New Philarmonia
コメントを投稿
コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。
アカウント情報
(名前は必須です。メールアドレスは公開されません。)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。