2014年
六花書林
『かみうさぎ』は歌人武藤雅治(1951 - )の句集。2007年頃から2013年までの作品を収録。
作者は本書の作品を、俳句とも川柳ともそれ以外とも特に決めていない。
須藤徹の感化によって五七五を作りはじめたといい、句集には須藤徹追悼10句も含まれる。
遠足に気ちがひがついてくるなり
落ち葉して出口あかるき西アジア
原発の麓をあるく猿の群れ
ほのぼのとボノボ恋しや葉桜に
きりぎりす切れ味にぶき裁ちばさみ
水仙を女のなかにいれておく
寝返りをうつたび見ゆる雪うさぎ
ももいろのふくろをさげてあつまれり
どしやぶりの雨に爆竹が鳴るなど
呼びすてにされて苦しき津波かな
さきの世のならひのごとく貝割れ菜
男根一列まはれまはれ最後尾
うづくまるかたちに祈る未来刑
目に青葉リストカットの刃が光る
飛んでゆく鞄のこゑの暗さかな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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