2014年
角川学芸出版
『竟鳴』は対馬康子(1953 - )の第4句集。2005年から2014年の367句を収録。この間に著者の父、母、兄嫁が他界。
著者は昨年「天為」編集長を辞し、現在は「天為」編集顧問、「麦」同人。
寒の餅冷たき骨のありにけり
大いなる鳥影降りてくる恵方
透明な化石の森へ降るさくら
銀河澄む旗艦のごとき製鉄所
フリージアひかりは沖に集まりぬ
火蛾ねばるアウシュビッツの中に貨車
ユダの横顔花冷えの世にまぎれ
半夏生人影人に即くを倦む
秋蛍神に僅かな夜の酒
白鳥の柵噛む音のして暮れる
林中に喜雨の至れる太古の舟
月光に干し薬草を背負い来る
みちのくの大き縁側稲の花
桜鯛眼のごうごうとして開く
昼寝覚む壺となるまで人を恋い
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Galina Ustvolskaya - Sonata for violin and piano
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