「澤」（発行：小澤實、編集：望月とし江）2014年3月号から。
巻頭に《「五十歳以下の俳人一句鑑賞」原稿募集のお知らせ》あり。今年の7月号で特集「五十歳以下の俳人」を組むとのこと。
厚切の焼き鰆の身二枚立つ 小澤 實
ハムカツの断面に緋や冬館
ものゝ芽の萬億(まんのく)のなか老ィ新た 高橋睦郎
パピルスのエジプト絵文字眼冴ゆ 大和寿美子
アトムいまも人類(ひと)の味方か冬銀河 小夜
縁側に敷き干す蒲団すき間なく 岡本春水
「澤」会員だった後藤あきの追悼特集あり。
味噌汁に九条ねぎ入れ他はいらぬ 後藤あき（押野裕選・後藤あき二十句より）
茄子の馬父より母を太くせり
伊勢海老を捌くや終始詫びながら
鳥帰る方へ回転椅子回す
冬薔薇や子は初恋の人と添ふ
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Kodaly Cello Sonata Janos Starker
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2014年3 月 7日 (金)
「草樹」50号（2014年3月）
「草樹」（草樹編集部編集／吉田成子発行）50号（2014年3月）から。
セーターの胸に百日目の赤子 宇多喜代子
冬かすむ幽霊坂に二人して 沼尻巳津子
白葱の一本だけを買ひにゆく 大北祐規惠
さまざまの模様皿おく聖夜かな 岸本 弘
葱掘つてすぐ昏くなる潟明り 高野美代子
山道に人の声して帰り花 竹村英子
大根引く活断層を宥めつつ 中條千枝
十一月出雲に箸を買ひにけり 土井禎代
極月や朽葉の下を水流れ 西村 明
秋の暮未来は過去と名を変へて 宮田武彦
行く水の細き光や枯尾花 山喜多斗樹
城門の扉の錆びし菊花展 足利頼恵
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Bach Partitas Gidon Kremer
2014年3 月 6日 (木)
「藍生」2014年3月号
「藍生」（編集発行：黒田杏子）2014年3月号から。
特集は「3・11から3年」。山崎祐子（福島県いわき市）、結城良一（福島県）、菊田島椿（宮城県気仙沼市）が寄稿。
山崎祐子は「プロジェクト傳」の活動を紹介。私も何度かいわきツアーに参加させてもらっているが、来たる4月19日、20日に東京・上野で復興展とじゃんがら念仏実演を行うとのこと。
死ぬるまで群れてをりけり冬の蜂 秋岡宣子（巻頭競詠）
ストーブに小さき窓ある忌服かな 鈴木牛後（巻頭競詠）
大提灯新調なりて年の暮 松尾重子
宇都宮出て上野まで寒月と 葛山由博
おだやかに身に痛みなき大旦 黒田杏子
色変へぬ松要介護3の父 畝加奈子
鳥の喰み少女の捥ぎしピラカンサス 小池啓子
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Vaughan Williams - Fantasia on a Theme by Thomas Tallis (Proms 2012)
「小熊座」2014年3月号
「小熊座」（発行：高野ムツオ）2014年3月号から。
帽子屋の帽子の未来雪が降る 高野ムツオ
福島は骨盤吹雪無尽蔵
宇宙には隅などあらず寒の鯉
ただ凍る生が奇蹟と呼ばれし地
はみ出せるティッシュ雪嶺のかたち 増田陽一
独楽はいま風の峠にあるらしく 中井洋子
氷海の大鮃もわれも傘寿すぎ 佐々木とみ子
水飲んできて雪塊を割るちから
里芋のとろりと煮えて恋となる 大久保和子
漂泊を終えて梟になりしかば 渡辺誠一郎
人間も国家も粗雑初御空
湯婆の音して缶の不凍液 津髙里永子
とこしえの夢の続きである枯野 佐藤成之
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Para-Dice (Saburo Teshigawara) - Arte
2014年3 月 5日 (水)
「円錐」第60号（2014 Spring）
「円錐」（編集委員：澤好摩・橋本七尾子・山田耕司・今泉康弘）第60号（2014 Spring）から。
特集は「困った一句とは」。
猫のびをしてのびきりて月の形(なり) 江川一枝
木枯を抜け集まりし土鈴かな 橋本七尾子
それとなく林檎を磨き持ち歩く 荒井みづえ
温(ぬく)にした部屋横切りぬ虫二匹 矢上新八
うどん屋までだんだら坂の大満月 澤 好摩
四阿の柱に夕陽年の暮
お命はいただくものぞ豊の秋 山田耕司
中華鍋吊るすさむさの銀河かな
校塔は絞首台なり風薫る 今泉康弘
対岸はディズニーランド秋の暮 佐藤獅子夫
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SEZEN AKSU SARI ODALAR
「里」2014年3月号
「里」（発行：島田牙城、編集：仲寒蝉）2014年3月号から。
特集は「瀬戸正洋『B』に赤いちゃんちゃんこを着せる」。
他に「【一挙掲載 中編評論35枚】堀下翔 人間詠を探る―草田男を中心に」。
カツ丼に松竹梅あり余寒かな 瀬戸正洋（特別作品20句）
蒲公英のうへにパトカー消防車
啄木忌診察券に診察日
クリップがクリップを咬む春の闇 水口佳子
タキ1000型貨車地吹雪を内陸へ 大井さち子
ギブス切る電動鋸に余寒かな 土屋郷志
冬晴の団地がバスの終点で 上田信治
美食せむ籠たつぷりに雪入れて 堀下 翔
新宿の隅にマフラーぶら下がる 小林苑を
春昼や灯台の目の開きしまま 仲 寒蝉
風光る団子のたれは道に垂れ 佐藤文香
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ウルトラQ 第15話 「カネゴンの繭」
「陸」2014年3月号
「陸」（発行：中村和弘）2014年3月号から。
白鷺を数羽従え耕せり 中村和弘
樹氷林未来のごとく人拒む
舟小屋は流砂に埋もれ春立てり
われだけの音になるまで落葉踏む 小菅白藤
風邪引いて夜空へ落ちてゆく心地 泉風信子
冬夕焼空のどこかで不協和音 木下弘子
秋深し転車台ある津山駅 浪本恵子
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Eurythmics I Want It All peacetour Live 1999
「船団」第100号（2014年3月）
「船団」（代表：坪内稔典）第100号（2014年3月）から。
特集は「再びひとり旅」で会員の半ページほどのエッセイ多数。
雲は秋キリンとカバに会いにいこ 藪ノ内君代
パスタ巻くたび寿命は縮む白昼夢 山本たくや
カフェオレが飲みたくなる日桐一葉 一門彰子
サドルだけ盗まれた日のちちろ虫 植田かつじ
兜煮に狼藉いたる秋の暮 内田美紗
画集見る少年の目の秋の川 衛藤夏子
こたつから見ている丸いだけの山 坪内稔典
天高しピカソピッコロピタゴラス 長沼佐智
ユニセックス梨の香りがいたします 梨地ことこ
「ぴ」は「ぺ」よりおちゃめで「ぽ」より秋ですね 火箱ひろ
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怪奇大作戦 第02話 「人喰い蛾」
2014年3 月 2日 (日)
【告知】「俳句」2014年1,2,3月号他
最近出たものの告知を少し。
角川「俳句」1月号の書評欄に柿本多映句集『仮生』評として「生死の間の駅のように」、同2月号の作品21句欄に「平穏」、同3月号の「特別企画―東日本大震災から三年」中、「13人の提言―ここからはじまる俳句」のコーナーに「引き裂かれながら愉しく飛ぶ」という一文が掲載されています。
「未来図」1月号には、角谷昌子句集『地下水脈』評の「工芸的な艶の彼方」掲載。
「ふらんす堂通信」139号には連載「BLな俳句」第4回が出て、これの第1回、第2回が順次「週刊俳句」に転載されています。
栗林浩編著『俳句とは何か』（角川学芸出版）が刊行され、ここに拙文「写生について」も収録。
高山れおな・上田信治・山田耕司・佐藤文香編集の同人誌（といっても総合誌的なものを目指すらしい）『ku＋』(クプラス)は、創刊号が2月には出るとのことだったのが未だ出ず。
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Charpentier: Messe et motets pour la Vierge | Jordi Savall & Hespèrion XXI
「青群」第31号（2014年春）
「青群」（発行：伊丹啓子、編集：伊丹啓子・小嶋良之・政成一行）第31号（2014年春）から。
「青群七周年の集い＆『続・伊丹三樹彦全句集』『伊丹公子全句集』出版記念会」と小特集「伊丹啓子第二句集『神保町発』」が組まれている。
『神保町発』は献本頂いて拝読したのだが何も書けていない。申し訳ないことである。神保町自体は学生の頃、帰路に散々はまり込んだのだが。
杖つく日つかぬ日 口笛の生身魂 伊丹三樹彦（青群顧問）
愛し 愛されしは不忘 生身魂
千年家の柱や梁や 稲穂風 藤井美智男（特別作品）
入水のやうに沈んでをりし柿紅葉 服部由貴（特別作品）
幼年の絶景 鴨に手を伸ばす 伊丹公子
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Wagner - Der Fliegende Holländer - Estes, Salminen, Balslev (Bayreuth Festival) - Subtítulos Español
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