『佳き人に』は碓井真希女(1959 - )の第1句集。序文:安藤喜久女。
著者は「俳星会」主宰。
富岡製糸場
武士の娘も糸挽きをなす返り花
身も球も硬きテニスの早春戦
ラケット振るほどの明るさ黄落期
イサム・ノグチ その人・その作品 十三句 より
天蛾(やままゆ)や地球そのもの彫刻す
イサム・ノグチ その人・その作品 十三句 より
混沌の世界に裸身宇宙人
透視図のごときタイルの先に月
ヴォーリズの螺旋の行方文字摺草
運慶の燃ゆる身の内滴れり
エストニアの城壁に聴く初音かな
ベルトコンベアーの支柱残れる秋の暮
モデュロール人の尺度や竹の春
青嵐巨石はだかるクサリ坂
脱酸素へ人はざわめき山眠る
寅の口ぽつかり開いた年賀状
大壁を鏝(こて)で削りて夏に入る
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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