歌誌「合歓」第55号から。
この号、私も参加した震災後の朗読イベント「言葉を信じる 夏」を聴きにいらしていたらしい久々湊盈子さんからの依頼で「わたしの一句」の欄を書かせていただいている。いわゆる自句自解だが、とりあげたのが《Eカップとわれも名乗らん春の地震》だったので、句そのものよりも状況の説明ばかりで終わった。
電気などは復旧した後だが原発事故が起き、凄まじい余震が次々と襲ってくるなか、みんな殺伐としているから最後に「ちなみにEカップです」とつけると良いと思うという趣旨のツイートが流れてきたので私も乗り、「また余震で揺れてます! ちなみにEカップです」などツイートして凌いでいたという句で、今検索してみたら「はてなキーワード」に「Eカップ運動」なる語が立項されていた。
幾万回蜂が運びしレンゲ蜜とろとろ夜長の紅茶に溶かす 久々湊盈子
ひとたびも交接させずひとたびも地に触れさせずネコ愛玩す
あの日から舫(もや)いたしかめ男らが黙々漁具の手入れしており 熊谷淑子
地震のたび守るものなしと強がれど心うらはらただに慌てる 宮本文子
吾が町の放射線量高ければ蝶も蜻蛉も羽化せずにゐよ 田中あさひ
寒のなかおみなとあゆむ池の端エロス遠のきタナトス寄りくる 立神幸彦
二〇一一年をハルマゲドンと言えるかも我が家も三人姉が旅立つ 木下春子
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Robert Palmer - Simply Irresistible
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