2017年8月
東京四季出版
『自生地』は福田若之(1991 - )の第1句集。
作者は「群青」「オルガン」同人。「週刊俳句」運営。
夢に着けば先客がみな小岱シオン
ソ連の体操少女のような噴水
ながれぼしそれをながびかせることば
原稿の一マスに身をおさめる蛾
海のきれいな作中主体です春です
暑極まる風向を読み佐渡を見て
夏の浜電子回路の破片照る
暗く赤い終バスの行き先表示
ゼブラゾーンを越えてゆく機影春が終わる
カレクサカレクサマンガノ血シブキハ黒イ
羽根布団になった鳥たちと目覚める
花烏賊の水晶体を猫がいじる
月夜の地球儀拭けば消えそうな島々
ぼやけた群衆秋風大きすぎる駅
小岱シオンが田中をものにしたがる夏
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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