『アンダンテ』は志磨泉(1968 - )の第1句集。序文:西村和子。
作者は「知音」同人。
風邪の子にごめんねと云はれてしまひ
汗の子の今日ね今日ねと息もつかず
団栗は青し大樹は横たはり
糸瓜忌や俳論交はし少年等
妬心とはかういふかたち曼珠沙華
野外劇果てし舞台や夏の月
放物線重ね航空路図涼し
あれが君さう決めて見る寒オリオン
噴水に皆背を向けて昼休み
チェロケースたてかけオープンカフェの秋
兄の部屋弟が継ぎ春灯
コンドルの檻の向かうの空高し
冬晴やショーウィンドウに顕微鏡
子供部屋ラヂオがんがん夏に入る
帰省子のまづ弟のことを問ふ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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