« 2016年9 月 | メイン | 2016年11 月 »
株式会社すうがくぶんか&アスキードワンゴ主催の数学イベント「Math Power 2016」は無事終了。
横山明日希さんと私が担当した「数学俳句」コーナーは、数学用語を詠み込んだ句を募集していましたが、会場に来ていた四ッ谷龍さん、生駒大祐さん、謎の人だった「ナツメヤシ子」さんをはじめ、面白い作品が来て、思いの外ハイレベルとなりました。
投句、来場、視聴いただいた皆さまありがとうございました。
横山さんによるトゥギャッターまとめが既にできています。
「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2016年10月号から。
雲の峰よく育ちたり中空より 小澤 實
ぎんやんま飛ぶわが頬をかすめたる
地中海戀ホし無花果割り食へば 高橋睦郎(季語練習帖)
息子五人戦死や祖母の敗戦日 磯貝一沙
素手をもて捕らへし蛸や潮溜り 鍋山紀子
くわくこうや富士に仕立ててシフォンケーキ 堀田季何
水落つるところもみあふ茄子二本 宮川それいけ
コンビニといふ小さな箱や晩夏光 山中広海
熊蝉の四方より攻め来阿波の夏 田中 槐
クロールの息継ぎの汝目が合ひぬ 藤江 梓
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2016年10月号から。
「東日本大震災五年記念企画/10句&随想」を掲載。
栗林浩「昭和・平成を詠む(15)」は友岡子郷インタビュー前編。
噴水に黒曜石の夜が来る 高野ムツオ
夏の星坩堝をなせり飢餓の国
合戦の語り部河原撫子は 沢木美子
字を忘れ友の名忘れ西瓜喰う 越高飛騨男
死ぬもののために空あり立葵 上野まさい
原子炉も水から生まれ梅雨滂沱 渡辺誠一郎
ゼロの話素数の話夕涼み 佐藤弘子
*
瓦礫にも日溜まりのあり犬ふぐり 日下節子(東日本大震災五年記念企画)
幼霊のならぶ慰霊碑小鳥来る 黒田利男(東日本大震災五年記念企画)
原発ゼロの冬の灯睦む団地かな 須崎敏之(東日本大震災五年記念企画)
夏霧が活断層へ入り込む 土見敬志郎(東日本大震災五年記念企画)
不意の日は今なお昏し著莪の花 渡辺誠一郎(東日本大震災五年記念企画)
登高をせよ汚染土を踏み締めて 高野ムツオ(東日本大震災五年記念企画)
「遊牧」(代表:塩野谷仁)2016年10月号から。
出目金の渇かぬ眼蕩児めく 柳 恵子
声優のように昼顔蕾むかな 堀之内長一
まなうらは優しい月の罠のなか 松本梨麻
秋風やひとりのときは手を重ね 新村長門
「里」(編集:中山奈々、副編集:小鳥遊栄樹、同人会長:仲寒蝉、発行:島田牙城)2016年10月号から。
炎帝が雷門を跨ぎけり 金子 敦(「この人を読みたい」欄新作10句から)
くだものの中心は種天高し 水内和子
淋しげな案山子に風の集まれり 月野ぽぽな
頭のない秋刀魚頭のある秋刀魚 上田信治
どんぐりのこと一行に遅れて知る 青本瑞季
幾何学のからだが秋分にまはる 青本柚紀
台風や飛行機を降り手の長さ 佐藤文香
はふしぜみその後は白きばかりかな 堀下 翔
椎茸を裂きたり石材の街に 中山奈々
オスプレイを誘惑してる秋桜 翠 雲母
十代のころは夕立ばかりなり 大西龍一
癖つ毛の先が茸に触れてゐる 喪字男
2016年10月PIPPA Editions
マブソン青眼の選句・フランス語訳・序文による『日本レジスタンス俳句撰』が刊行された。
秋元不死男、新木瑞夫、藤木清子、古家榧夫、波止影夫、橋本夢道、平畑静塔、細谷源二、井上白文地、石橋辰之助、栗林一石路、三谷昭、中村三山、仁智栄坊、西東三鬼、嶋田青峰、杉村聖林子、渡辺白泉らの各4句を仏訳。
《日本で販売されていないので購入希望者は郵便振替口座へ2千円を振り込み「レジスタンス俳句」と記載すると郵送します。口座「参月庵」00560 1 75876》
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
「紫」(発行:山﨑十生)2016年10月号から。
創立75周年記念号。
首縊るにも席順や汗しとど 山﨑十生
寝不足の木が立っている梅雨出口 鈴木紀子
戦(いくさ)経し貨車の変遷大夏野 若林波留美
情念のかたまりである冷奴 森 壽賀子
ゴミの出ぬ家のありけり蝉の声 鳥海美智子
早朝のセブン・イレブン水を打つ 本宮珠江
極限値求め水母の溺れけり 小林弘恵
俳句同人誌「今」(編集・保坂敏子、発行・瀧澤和治)2016年秋-第15号から。
三枝昂之・今野寿美対談「甲子雄俳句を楽しむ」掲載。
片陰に入る帆のごとき少女たち 大隈チサ子
菖蒲湯にゐて獄中の人おもふ 加藤 勝
かすかにも匂はず母の菊枕 斎藤史子
夜寒かな机上のルアー咲くごとく 瀧澤和治
最近のコメント