「短歌ホスピタル」(発行:鯨井可菜子・山崎聡子2015年11月)は何らかのかたちで医療の現場に身を置く若手歌人7人による、単発の歌誌。
北山あさひのエッセイ「医療の仕事の楽しみ方」、土岐友浩の評論「沈黙をめぐって」、田丸まひる・土岐友浩の精神科医対談「生き延びるための言葉をさがして」他掲載。
櫛つかふ腕が痛めり圧(お)しつづけし心臓すでになきこの夜を 小原奈美
難解な神話のようでモルヒネの構造式を夜空に描く 小原 和
いくつもの死を見届けてぼんやりと色を持たない明け方にいる 香村かな
血を運ぶエレベーターに血を握る一人のようで二人のようで 北山あさひ
六月は蛇を隠しておくところ 雨のやまない校庭に行く 土岐友浩
ガッコウで習わなかったことだから避妊はしない中三の女子 田丸まひる
砂山に墓石を三基突き刺してあなたは四人家族だという 龍翔
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