2014年
層雲自由律叢書
松岡月虹舎(1950 - )は1990年から「層雲」に投句を開始。これが第1句集にあたるらしい。序文:伊藤完吾。
著者40歳から60歳までの社会生活現役次代の句集。東日本大震災で職場が倒壊し、離職。略歴に記された転居歴からすると、生まれは東京だが水戸で被災されたらしい。現在つくば市在住。
赤ちょうちん青すぎた朝空に果て
太陽が尻穴に引っ込み緞帳落ちる
ゴミ袋の光沢に見た血煙高田馬場
月の曳く海に生き別れ
静物に血の流れヤバい
シーツの中の白鯨を見送る
バリッと蟹踏んだ朝
今日も砂山を盛る
シャーレのバクテリア繰り返すタスケテ
ダムの高さ見極め死にたくない
雪面に灯りの漏れる全盲者の部屋
人に揉まれ眠りに落ちる観音の指先
ポケットのバラ銭にぎり仮眠する観音
潮騒すさぶ民宿「岬」という名の隙間
高い空とガードレール向こう側の気配
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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McCoy Tyner Trio with guests (Frisell, Bartz) - Stuttgart, Germany, 2009-07-24
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