表紙を見てお分かりのとおり『新撰21』の書評が載っていて、私も取り上げられているので牙城さんが送ってくれたものである(「里」は仲寒蝉編集、島田牙城発行)。
瀬戸正洋氏が北大路翼と谷雄介、佐藤文香作品を、小林苑を氏は越智友亮、佐藤文香、谷雄介、外山一機、中本真人、関悦史の作品を紹介している。どうでもいいことながら、小林苑を氏はお住まいが私の以前の住所のすぐ近くらしい。
刻まれる葱を一揆の裔と思ふ 小林苑を
春雷や独りぼつちの水餃子 長谷川晃
咳をして男女去りたり旧市街 媚庵
正午全ての交差点に立つ佐保姫を 上田信治
雲を払ふ手がうようよと梅林 狼耳
大寒のタクシーを呼ぶ右手かな 瀬戸正洋
何となく炊くお赤飯笹子来る 山口都茂女
蛇行する有刺鉄線冬の雲 雪うさぎ
グラタンの舟の重みや春愁い 秋山菜穂
原色は力と思う球子の冬 洋子
冴え返る夜や巨人立つ蔵の上 中村恵理子
カーソルが勝手に動く春の雲 島田牙城
鶯餅今日は食すと決めてをり 竹内笑菫
排尿の牛の眼や寒曙光 土屋郷志
別々に同じ道行く枯野かな 仲寒蝉
佐保姫のフラクタルなる吐息かな ユぴ
ソユーズの光跡長し鬼やらひ 尾崎ひろ
縮こまる我を導く寒北斗 高橋達幸
三つ目の人格のまま目刺焼く 津田このみ
もづく酢の海へ戻れぬ暗さかな 春畑茜
初句会とは長老をほめ殺す 谷口智行
山火燃ゆ髑髏の中に非常口 泥亀
横向きにゴジラのフィギュア日向ぼこ 湾夕彦
鍋囲む仏像女子とカメラ女子 星野早苗
そういえばマリみて(『マリア様がみてる』)も20巻あたりから先を読まないままになっていたなと思う(句とは全然関係ないのだろうが、仏像好きな娘やカメラを持った娘も登場するのだ)。
冬陽着て野外彫刻みな裸 小豆澤裕子
雛の灯やゴッホの耳のその後など 水口佳子
空缶のたやすくつぶれ卒業期
鍵はなく手にまさかりは冷たくあり 佐藤文香
まさかりに月がうつつてゐるのかい
基本的に1人7句掲載なのだが、佐藤文香の句は7句中5句が「まさかり」であった。何なのであろうか。
以下の九里順子作品は「割れてゆく―入院記―」の標題を持つ特別作品20句から。
肉体の割れてゆくたび菊を挿し 九里順子
銀杏を拾ふシェフゐて外科病棟
ナースステーション秋燈として午前二時
これは何というか、いやになるほどわかる。
瀬戸正洋氏が北大路翼と谷雄介、佐藤文香作品を、小林苑を氏は越智友亮、佐藤文香、谷雄介、外山一機、中本真人、関悦史の作品を紹介している。どうでもいいことながら、小林苑を氏はお住まいが私の以前の住所のすぐ近くらしい。
刻まれる葱を一揆の裔と思ふ 小林苑を
春雷や独りぼつちの水餃子 長谷川晃
咳をして男女去りたり旧市街 媚庵
正午全ての交差点に立つ佐保姫を 上田信治
雲を払ふ手がうようよと梅林 狼耳
大寒のタクシーを呼ぶ右手かな 瀬戸正洋
何となく炊くお赤飯笹子来る 山口都茂女
蛇行する有刺鉄線冬の雲 雪うさぎ
グラタンの舟の重みや春愁い 秋山菜穂
原色は力と思う球子の冬 洋子
冴え返る夜や巨人立つ蔵の上 中村恵理子
カーソルが勝手に動く春の雲 島田牙城
鶯餅今日は食すと決めてをり 竹内笑菫
排尿の牛の眼や寒曙光 土屋郷志
別々に同じ道行く枯野かな 仲寒蝉
佐保姫のフラクタルなる吐息かな ユぴ
ソユーズの光跡長し鬼やらひ 尾崎ひろ
縮こまる我を導く寒北斗 高橋達幸
三つ目の人格のまま目刺焼く 津田このみ
もづく酢の海へ戻れぬ暗さかな 春畑茜
初句会とは長老をほめ殺す 谷口智行
山火燃ゆ髑髏の中に非常口 泥亀
横向きにゴジラのフィギュア日向ぼこ 湾夕彦
鍋囲む仏像女子とカメラ女子 星野早苗
そういえばマリみて(『マリア様がみてる』)も20巻あたりから先を読まないままになっていたなと思う(句とは全然関係ないのだろうが、仏像好きな娘やカメラを持った娘も登場するのだ)。
冬陽着て野外彫刻みな裸 小豆澤裕子
雛の灯やゴッホの耳のその後など 水口佳子
空缶のたやすくつぶれ卒業期
鍵はなく手にまさかりは冷たくあり 佐藤文香
まさかりに月がうつつてゐるのかい
基本的に1人7句掲載なのだが、佐藤文香の句は7句中5句が「まさかり」であった。何なのであろうか。
以下の九里順子作品は「割れてゆく―入院記―」の標題を持つ特別作品20句から。
肉体の割れてゆくたび菊を挿し 九里順子
銀杏を拾ふシェフゐて外科病棟
ナースステーション秋燈として午前二時
これは何というか、いやになるほどわかる。
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