2022年5月
私家版
『朋哉句集 三』は若杉朋哉(1975 - )の第3句集。序文:岸本尚毅。限定100部。
梅の園低きところに径ありて
さゞ波を乗り越えられぬ落花かな
朧夜や遠く襖の閉まる音
こゝろもち大きな方の柏餅
一八の手前の雨の見えてゐて
せり出してゐる紫陽花の切られけり
何かありさうに集へる緑蔭ぞ
夏服の中の身体を風吹ける
ピンポンをしたり団扇であふいだり
かき氷神々しくも聳えたり
家中の少し明るき昼寝かな
避暑の宿寝そべつてゐる人長し
人やさし瓢抱へて撫づるとき
或る日そこに秋日の線の出てゐたる
マシュマロを口に放りて冬の旅
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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