『砂柱』は石山ヨシエ(1948 - )の第3句集。帯文:鳥居真里子。
著者は「門」同人。
みじろがぬ蜥蜴の舌のよく動く
白昼の風なほ硬し白木蓮
卵巣を神へ返しぬみどりの夜
砂を這ふ浜昼顔もわたくしも
約束のやうに手渡すラ・フランス
無風なる砂丘を歩む初明り
みづうみは原始のあをさ夏鶯
コロナ禍を首振りとほす扇風機
ひとところ茅花野と化す砂丘かな
赤鱏のおのれに倦みてひるがへる
雪激し戦場もかく雪降るか
少年消ゆ噴水の音変はりけり
ひしひしと千の睡蓮せり上がる
棒立ちに釣瓶落しの砂丘かな
サングラス砂丘たちまち月面に
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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