『夏祓』は大木満里(1949 - )の第1句集。序文:中西夕紀。
著者は「都市」同人。
小半日眠りし父よ春日影
帰り来てひとりの箸や金魚玉
父逝きて寒鯉つとに動かざる
正面に山の濃淡夏料理
登坂のダンプをつつみ青葉闇
赤銅(あかがね)の小物買ひたる祭かな
物置に父の義足よ石蕗の花
雪掻に日差の太くなりにけり
いわき 四句 より
夏祓目をつむりても海見えて
潮騒につつまれてゐる昼寝かな
夏草を踏むや海光見ゆるまで
マフラーに溜めこむ日差坂上る
鶯やダム放流を待つ時間
高層ビル多面体なり風光る
走る子の次々転(まろ)び春の山
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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