『くりうむ』は金利惠(1953 - )の第1句集。序文:髙田正子。
著者は「ソウル俳句会」「青麗」会員。
小さきものすみれに語るときは母語
横臥して空遠くあり花疲れ
たれもゐぬソウルわたしに秋の暮
それぞれの窓に夏雲アパート群
秋空や「じゅうごえんごじっせん」言へず ※左註略
ひらひらと夢に火照りぬ酔芙蓉
あぢさゐの鉢抱き帰る身ごもりぬ
煙突は炭鉱の跡花すすき
稽古場の向ひの窓に夜業の灯
釣りを出す林檎売の手義手なりき
姫女苑撫でつつバレエ教室へ
白昼夢醒めあぢさゐの花を剪る
大男となれる息子と夏の旅
大陸につづく半島夏の空
坂本龍一さん今生を終える
FMにSAKAMOTO流るソウル春
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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