『発信―武蔵野大学俳句アンソロジー』は井上弘美編による学生の俳句(編者の授業で制作されたもの)のアンソロジー。
聖五月綺麗なひとが義姉になる 高岡千紘
雲水の携帯電話街薄暑 加瀬 渉
夏めくや君の素振りを二階より 山本奏咲
たまねぎと交信できる者はなし 木村真理子
太宰忌や読経水羊羹のごと 下原壽経
むさしのを余さずつつむ驟雨かな 桑名美穂
人間が死に河童忌と呼ばれたる 山下亜維
貸しボート浜に引き上げ夏終わる 柳井浩智
リクルートスーツにて食ふ氷菓かな 森貞 茜
枕から秋濤の声聞こえけり 廖 蘭欣
日は海に落ちてこおろぎ草陰に 金成更紗
マフラーを編む祖母の続きから編む 金田実奈
クリスマス真っ白白のシフト表 斉藤純奈
寄せ鍋を一人で食べて温まる 加倉井 渉
都市は冬無数の部屋が漂流す 高橋 文
※本書は編者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
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