『滝の宿』は石川暉子(1937 - )の第1句集。序文:松尾隆信、跋文:横山節子。
著者は「松の花」同人。
髪結ひて後ろ姿の初鏡
あるほどもなき移り香の衣文竹
天ぷらの衣薄目に秋立ちぬ
鐘つけば秋よ秋よと谺せり
白薔薇の散り行く如く兄逝けり
みどり子と枯葉を追へり遊園地
はまぐりの白ふつくらと汁の中
この空の青さは今年竹のもの
目の合ひし山羊に餌をやる雲の峰
玄関へ誰か来る音夕時雨
鉄の上鮑の踊る夏料理
天高しハーレーダビッドソン五台
ボート漕ぐ先へ先へと花筏
登山者のリュックを登るいぼむしり
夕星のひとつのみあり初御空
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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