『水の色』は河内静魚(1950 - )の第7句集。
著者は「毬」主宰。
若竹の色に速度のやうなもの
しづけさの寒さにかはるまで椅子に
消灯の後の子おもふ雪催
春の土踏んで病む子に会ひにゆく
春さびし水はコップのかたちして
あゆ子逝く
一落花風をつかまへ舞ひ上がる
青くあをく抱きしめにくる秋の空
緑蔭は大きな水の匂ひかな
星たちの迷子に見えるおぼろかな
サンダルの下の大地や夏休
一枚もなしありふれし落葉など
東京は広さとなりぬ十一月
年越すや地球は海を抱きながら
青空があんなに遠し紙風船
みじか夜や時計に音のありしころ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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