『秦野』は浅井敏子(1937 - )の第2句集。序文:名取里美。
著者は「あかり俳句会」会員。
春一番やうやくお墓買ひました
金木犀ふつとあなたがゐるやうな
ひめむかしよもぎ機関車通りすぐ
袴着け青年の立つ花吹雪
彼岸花家族の増ゆるごと増えて
霜柱素足で踏むや地震の朝
初句会鎌倉野菜三十種
日覆の揺るる老舗のオムライス
雨あがり豌豆の花どこまでも
漬物屋甕を並べて金魚飼ふ
叱られて猫の出て行く十三夜
日だまりに脚を畳みし枯蟷螂
富士小春ひ孫ずつしり腕の中
やはらかき指を絡ませ昼寝の子
深悼 黒田杏子先生
花も見ず一途に語り逝かれしか
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。