『月と書く』は池田澄子(1936 - )の第8句集。
著者は「豈」「トイ」同人。
早春と言うたび唇がとがる
ガードレールの凹みや錆や渓紅葉
穴を出し蛇恥ずかしく振り向くか
天井の四隅きっぱり大旦
日向は今日も静かに移動してみせる
梅園を歩き桜の話など
冷奴あまり冷たくなくなりぬ
人棲まぬ家の大黒柱首夏
水澄むや他はどうでもよいように
剥いてある林檎錆びゆき何故 空爆
よい月夜よい智恵の出ぬ者同士
みんな死ぬ味付海苔はすぐ湿気る
八・一五・正午PCシャットダウン
〆切を守るよう悪い風邪もらわぬよう
女王蟻に月の匂いを知らせねば
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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