『橋』は中原道夫(1951 - )の第14句集。
著者は「銀化」主宰。
革手套あまねく十指行き止まり
わかさぎの骨の障るも味として
芋蟲は纏足の足竝べたる
刈田より雪に親しくなつてゆく
自撮棒破魔弓せめぎあふ騒(ぞめき)
ひとたびはふたたび誘ふ遠雪崩
夏果てや永久の訣れもこんなもの
わたなかにうをの通ひ路神無月
殻中を狭し狭しと牡蠣太る
時の日の龍頭に嵌る黑瑪瑙(オニックス)
釋尊は甘茶に濡れる日を待てる
かたつむり性の描写に立ち止まる
水澄んでオフィーリアの役買つて出る
はやばやと手を洗ひ來る豆の飯
通念の通らぬところごきかぶり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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