2022年4月
ふらんす堂
『十一月の橋』は杉原祐之(1979 - )の第2句集。栞文:岸本尚毅。
著者は「山茶花」同人、「夏潮」運営委員。
白鳥ののつそり畦を跨ぐかな
冷たさを感ずるまでの朝桜
ただいまとお帰りと七夕の夜
父・國夫死別 三句 より
肺癌の父の大きなマスクかな
田植機の津波の泥を洗ひけり
満席のバスの静かに雪の夜
国境の大きな滝の凍てにけり
風鈴を吊るせるままに引越しぬ
夕立やカフェの覆ひをへこませて
無人機を飛ばし黒穂を見つけたる
雛段を支ふるビールケースかな
サハリンへ渡るフェリーの鏡餅
風邪の子に風邪でなき子ののしかかる
飲みに行く我らを映す花氷
蛞蝓の長き腸透けにけり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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