『聊楽』は董振華(? - )の日中対訳句集。序文:金子兜太。
著者は「海原」同人。
微夢半醒の華北平原火車通過
燕京の春暁賑わう小鳥たち
下萌や素足でわたる丸木橋
竹林で拾ふ木魚の静けさや
初夏とは抱擁したいクエスチョン
この世より遠ざかろうとかたつむり
葉桜の渦から聞こゆ子守唄
梅雨冷えや恋が消えるという不可思議
晩夏の海不器用な鮫の泳ぎたり
青花磁の欠片撫でつつ夏深し
青葉闇身体内部韻を踏む
混浴のよう満山万野紅葉して
紅葉かつ散る母の琵琶の音(ね)思うかな
上に凍雲下に我佇つ北京かな
兜太師を偲ぶ 四句 より
月落ちて梅散るころの離別かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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