『曙光のガレ場』は野田冷峰(1942 - )の第1句集。序文:林誠司、あとがき:野田伸也。
著者は「海光」同人。
風車恐山にも薫る風
新蕎麦や誰待つとなく信濃路へ
立冬やカレー日和の神保町
十津川のガレ場に誘う夏嶺かな
南瓜描くアルチンボルド耳朶光る
エノラゲイ雲間に見ゆる聖夜かな
谷根千のへび道ねこ道夏間近
老いらくの殴ってみたき暑さかな
向日葵や上目遣いですれ違う
枝豆や誰れ彼となく愛おしく
山茶花や妻在りし日も逝きし日も
長崎の島々灯る聖夜かな
蛤や舌出し泳ぐ太平洋
黙々と初夏を歩いて歌舞伎町
木枯や隙間より入るこっくりさん
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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