『ぱららん』は草野早苗(1954 - )の第1句集。序文:今井聖。
著者は「街」同人。
ぱららんとトランペット鳴り梅雨明くる
満月に飛ぶほど父に叩かれし
少女来る魚骨色したカーディガン
鳥の仮面脱げば美形やカーニバル
吐水管のOリング換へ鰯雲
蛇飼ふ人の家の玄関コート脱ぐ
初夢や人々は舟我は岸
爪先と地核との距離寒稽古
ブラッドムーン街は氷柱に護らるる
春めくや世界の子ども洗ひたし
タミル人からエメラルド買ふ晩夏かな
野分過ぎ剥製の猿膨張す
落下距離と破壊の試験鱗雲
改札を鬼が抜けゆく師走かな
軟体動物限りなく伸ぶ春隣
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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