『エレメンツ』は鴇田智哉(1969 - )の第3句集。
著者は「オルガン」同人。
海胆のゐる部屋に時計が鳴る仕掛
すぢかひのつめたさ空の組み上がる
オルガンの奥は相撲をするせかい
いうれいは給水塔をみて育つ
やりとりをしてゐるヒトデ型のひと
秋の蚊をつかめば前を見てをりぬ
鵜のすでに磨かれて目のひらかれて
ハモリスク変換してる黄色てもても
しらいしは首から上を空といふ
tttふいにさざめく子らや秋
桃ぁ烟(けぶ)たぁてチャリごと突っくらす
あきらかに私の位置に鹿が立つ
あぢさゐが染みる頭のうちがはへ
この部屋が金魚となりの部屋は雨
なかにゐる水母のなかのずれてくる
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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