『絵本の山』は甲斐のぞみ(1973 - )の第1句集。序文:太田土男、跋文:森賀まり。
著者は「百鳥」同人。
チンドン屋についてゆく父桜咲く
ちちははの泊まる蒲団を干しにけり
卒業旅行春満月がついて来る
病室の時間ゆつくりクリスマス
本を読むだけの休日あたたかし
ベルリンの地図ひろげある夜涼かな
冬の朝バスうつすらとやつてくる
夕涼の音楽室に集ひける
赤ちやんを真ん中にして夏座敷
集合も解散も大花野にて
夏の雲子どもが囲む仔牛かな
打水をして閉店を決めにけり
留守番の子に鯛焼を買つてゆく
みづうみの風に白靴乾きゆく
旅先に届く祖母の死月見草
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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