『聖五月』は善野行(1957 - )の第1句集。序文:山田六甲。
著者は「六花」同人。
野焼きして旧道現るる池の土手
あぢさゐの触れて赤子の手のごとし
薄化粧せし姪とゐて花の宵
うち捨てし壜ほうと鳴る秋の暮
凩のしんにさびしきとき止みぬ
初鏡伯母の梳き寄す祖母の髪
著莪咲くや水の匂ひの子規の庭
台風の過ぎてまぶしき雫かな
凄みある顔に野菊の摘まれけり
たんぽぽを踏まずバイクを駐めにけり
教へ子に母の面影聖五月
月の端を離るる雲の発光す
黒南風のめまひのやうに起こりけり
荒梅雨や寝床に好きな句集など
双頭のなほ収まらず雲の峰
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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