「野郎共」(発行:名古屋中学校・高等学校文学部、編集:難波朔矢)第3号(2019年6月)から。
今年、第22回俳句甲子園の審査に行って松山でもらってきた名古屋中学校・高等学校文学部の句誌。
もう辛いものは食べない猫の恋 原田 駿(「安曇野合宿連作」から)
以下、「部員自選句集Ⅰ」欄から1句ずつ。
叩き潰した蚊がまた来た 大野啓祥
その傷を覚えています夏蓬 難波朔矢
草笛や妙なあだ名を付けられて 小林 空
要塞の如きピザ窯雪催 塩崎達也
春眠や電波時計の狂ふ日も 北本晃大
掃除機の持ち手つめたし啄木忌 横井来季
以下、「部員自選句集Ⅱ」欄から1句ずつ。
朝焼けやレコードで聴くパガニーニ 冨田孝太郎
天高し祖父の建てたる一軒家 齋藤壮人
秋風や胡坐をかいてアメジスト 磯部 滉
毳立てるテニスボールや枯野原 木村功汰
山盛りは鬼の嫌がる目刺しかな 三宅航暉
秋風や散歩のために犬連れる 鬼頭孝幸
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地下道に湧水の痕小晦日 水野大雅(顧問)
みずくらげ宇宙に果てのあるのかも 水野結雅(顧問の息子、小学生)
クリスマス電子レンジに父の皿
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