『真昼の座礁』は宮城正勝(1941 - )の第1句集。栞文:岸本マチ子、芹沢俊介他。
著者は「WAの会」参加。
去年逝きし区長の畑打つは誰
春ゆうべビートたけしの首の皺
乳房この夕焼を見ずに終わるもの
母の息そっと確かめ五月闇
草茂る独神(ひとりがみ)なるペットボトル
ブラジルの裏側に住み日雷
螺旋状の悪夢背負いて蝸牛
春の屋上妻よ翔べると思うなよ
更新なきブログなりけり薄原
気化するか北風(きた)に吹かるか老いの痩軀(やせ)
夏空の音なき一機墜ちるなよ
憩まむと紫陽花を見る憩まれず
「家出は親にことわってから」島の春
死を測る機器の明かりの冬銀河
己にかまけ母を冬日に攫わしむ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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