『ジュークボックスよりタンゴ』は池谷秀子(1949 - )の第1句集。序文:大島雄作。
著者は「青垣」会員。
白毛布子供は手から眠くなり
草枯れてオルガンの息深々と
白南風やジープは馬の背の高さ
黒南風やジュークボックスよりタンゴ
木を植うるやうに金魚の墓増えて
水鳥や剥製よりも少し地味
枯蓮や割れた鏡のやうな水
星飛んで沢田研二の泣き黒子
老人の連れは老人茸山
草のやうに無口な人と盆の月
赤んぼを載せて月夜の台秤
プールサイドにいろいろな土不踏
スケートの子供綺麗な息吐いて
消えさうな母の匂ひの布団干す
スカートの襞より蛍零れけり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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