『不純』は山田耕司(1967 - )の第2句集。プロデュース:佐藤文香。
著者は「円錐」編集人。
挿す肉をゆびと思はば夏蜜柑
エビフライずれてをるなり紅葉山
鱈子焼くどちらの岸も隅田川
座布団は全裸に狭しほととぎす
輪投げの輪かぶりて春を惜しむなり
おつぱいに左右がありて次は赤坂
鶯やしやぶる口よりでるめだま
妙な声出すまで春の泥うがつ
青春の飲む白魚のやうなもの
焚き火より手が出てをりぬ火に戻す
ひとさまに剃らるる顔や雲の峰
耳咬むに至らず会釈春隣
天丼に蓋あまつさへ花曇
お流れに白酒を酌む真闇かな
つむじ嗅ぐ理由など知らず卒業期
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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