俳句甲子園でもらってきた部誌の3冊目(これでこのシリーズ終わり)。
「野郎共」は名古屋中学校・高校文学部の句誌で、第1号増補版は2017年4月に発行されたのを同年8月に増補したもの。
学校の印刷室で作った冊子だがA5判、162ページの大冊。編集・牛田大貴、製作発行・名古屋中学校・高校文学部。
顧問自選14句に《優勝旗戻ることなく夏終はる 水野大雅》などという句も載っている(名古屋高校は2015年俳句甲子園優勝校)。
以下、高校生の作品のみ各人1句ずつ。
なぜ逢ってくれたのですか月日貝 北口直敬
自転車に錆のつきたる神無月 横山栄介
万象に呼応するごと鯨吼ゆ 坂下遼介
クリスマス子どもの影の伸び縮み 瀬戸雅裕
蟷螂に水紋といふ蠱惑かな 牛田大貴
調弦のラの音響き秋の川 細井淳平
病室に人なく林檎二つあり 波多野俊介
相づちの回数増えし秋の暮 田口青至郎
仮名文のごとく柳の枯るるかな 竹中俊介
囀りに聴き惚れてをる阿吽かな 大原宏介
北窓を開いて見える知らぬもの 佐藤充俊
川に揺るる入道雲の太さかな 岩畑宙良
斑猫や工廠跡の引き込み線 新家功大
殿の見えないままに鰯雲 小林 空
しゃぼんだまポチと名付けた点滴と 難波朔矢
バカボンの世界は西日が朝日なの 塩崎達也
ハンモック高く縦波誘ひけり 原田 駿
風を知る清水寺の立夏かな 横井来季
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横綱の手にあやとりの絡みけり 水野結雅(顧問の息子(現在小学生)他選14句から)
顧問の水野先生の息子さん(「結雅」と書いて「ゆうが」と読む)、私も見たことあるはずなのだが、質量ともに結構な俳句を作っていますね。
コメント
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