『ペンギンと桜』は芳野ヒロユキ(1964 - )の第1句集。
作者は「船団の会」会員。
目の粗いマフラーをまだ捨てられない
カーテンの呼吸昼寝の呼吸かな
老人とポテトチップス夏の暮
セレベスで真夏の天皇誕生日
フランケンシュタインを愛した月光
蟹は食べ続ける宇宙の片隅を
毛布から芽が出るほどのひなただよ
いつもいつも豚の瞳は吹雪いてる
唇を離れしばらく蓮の花
内股に天道虫を休ませて
友達は幽霊ばかり百日紅
唇首筋乳房乳首をかたつむり
長髪の一本に縊死鶴来る日
ブラジャーをしている感じだが立春
ペンギンと桜を足したような人
※本書は版元より寄贈を受けました。記して感謝します。
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