「LOTUS」(発行:酒巻英一郎、編集:丑丸敬史・表健太郎・九堂夜想・曾根毅)第33号(2016年6月)から。
今年1月に65歳で亡くなった同人の流ひさし(森久)追悼号。その誌上句集、インタビュー等を掲載。
久方の空気の破片さるすべり 森久/流ひさし
日輪は枯野の耳を切り捨てし
男装を三日月こぼれたる悲鳴
木を生きる美貌の馬に下界あり
集まって暗くなりゆく天の川
出入りすること能はざる蝶の空
沖合の捨て子の髪の白さかな 無時空 映
血祭りの黒衣の重さうつつなり 吉村毬子
昼月を見る千年の頬杖や 表健太郎
朽ち縄を吐き黙(だんま)りの迷い神 九堂夜想
小走りに又の名をいう竹の秋 三枝桂子
貴兄には
見せぬ奇景と
晝の月 酒巻英一郎
孤山なれば送り果(おお)すぞ旅人よ 志賀 康
液晶の一枚下は鯉の寒 鈴木純一
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