今月は装幀の懐かしさで読んだのは角川文庫の平井和正、福島正実、赤江瀑、創元推理文庫のJ・G・バラードなど。最近のSF、ミステリは、読みたくても買う気が失せる装幀が多い。
4月23日に自宅で具合悪くなって倒れ(多分、度が過ぎた睡眠不足による疲れ)、以後、ろくに本も読めないまま現在に至っている。
利岡正人『詩集 危うい夢』、佐藤榮市『詩集 フラミンゴ キイ』、手塚敦史『1981』は著者(または版元)から献本を受けました。記して感謝します。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ『カフカズ・ディック』白水社・2001年
《芝居で楽しむ、フランツ・カフカ伝。作家とその友人の交友関係を軸に、カフカをめぐる女たちの実像に迫った、「赤毛物戯曲」のネクストレヴェル。》(「BOOK」データベースより)
宮沢章夫『月の教室』白水社・2001年
《予感の季節のあなた。青い空には、世間を騒がす事件よりも心を揺さぶる、同級生たちのせつない思い出が輝いていますよ―。21世紀を生きる女子高生たちのリアルがいっぱい詰まった、「青春戯曲」の誕生。同時収録「新しい演劇の作り方」。》(「BOOK」データベースより)
穂村弘『歌集 手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』小学館・2001年
《鬼才歌人と異才画家、渾身のコラボ歌集
2001年の刊行時、短歌界の内外にセンセーションを巻き起こした問題の歌集が文庫化。キャバクラ嬢「まみ」と、やっぱりキャバクラ嬢であるその妹の「ゆゆ」、そしてウサギの不思議なトリオの、詩的でほわほわしていて乱れていてストイックな生活と、まみとゆゆを巡る恋人や友達や隣人たち、そして切なくふるえるまみの心、愛、祈り。
手紙魔「まみ」は「ほむほむ」こと歌人穂村弘に大量の手紙を送り、穂村弘はその手紙の中のフレーズを変形させて使ったり、そこからインスパイアされてまったく違う短歌をつくりだしたりしつつ、「手紙魔まみ」という、実在するくせに虚構でもあるあやうい存在を歌集の中に生成する。
装丁・挿画には、センシブルな若い女性に熱烈なファンを持つイラストレーター、タカノ綾(カイカイキキ所属)を起用、ポップでキッチュな部分とはかなさや切なさのあやういバランスを、ビジュアル的にも訴求する。》
佐藤春夫『殉情詩集』日本図書センター・2003年
《大正10年新潮社刊「殉情詩集」、昭和21年東京出版刊「佐久の草笛」を底本に、振り仮名、仮名遣い等を底本通りにし、デザインを模した装丁で再刊。》(「MARC」データベースより)
赤瀬川原平『赤瀬川原平のライカもいいけど時計がほしい』産経新聞出版・2016年
《多彩なジャンルに独自の足跡を残した赤瀬川原平が最後に刮目したのは「時計」だった。》(「BOOK」データベースより)
別役実『やってきたゴドー』論創社・2010年
《待ち続けた二人のもとに、ついに「やってきたゴドー」。かつて70年代に書かれた「にしむくさむらい」の後日譚として、小市民の本質を抉った「犬が西むきゃ尾は東」。アーサー・ミラーの『セールスマンの死』を彷彿とさせる現代版サラリーマンを描く「風のセールスマン」。別役実の傑作戯曲を収録。》(「BOOK」データベースより)
ヴェルナー・ブッシュ『ライト《空気ポンプの実験》―科学と宗教の神聖同盟』三元社・2007年
《ライト“空気ポンプの実験”は、18世紀の絵画を解き明かす鍵である。この絵の描写には、これを貫く三つの局面が指摘される。まず第一の局面において、この絵は手の込んだ実験のきわめて精確な再現描写である。第二の局面において、これは夜に行われた実験という、特殊な演出効果を狙った表現である。実験者は魔術師のように登場し、これに対する観衆のさまざまな反応が、綿密な表現で描きとめられている。第三の段階では、当時問題となった進歩への信頼と宗教の関係についてなされた、ことを分けての反省が示されている。この反省は同時にまた、芸術の歴史とその伝統的なフォルムとの対決でもあった。だが、そうした対決を乗り越えて進歩の問題に迫ろうとしたライトの姿勢は、この絵においても明らかである。またそれによって、この絵は18世紀の芸術言語の危機についての自覚の証ともなっているのである。》(「BOOK」データベースより)
丸谷才一『年の残り』文春文庫・1975年(芥川賞)
《六十九歳の病院長が、患者の少年との関係から回想する若き日々の情景――。人生、老い、病い、死という年輪が刻みこんだ不可知の世界を、巧緻きわまりない小説作法で、帰らざる過去と現在との交錯・対比の内に結実させた芥川賞受賞作品。他に、「川のない街で」「男ざかり」「思想と無思想の間」の佳作三篇を収録。解説・野呂邦暢》
収録作品=年の残り/川のない街で/男ざかり/思想と無思想の間
平井和正『狼のレクイエム 第一部』角川文庫・1982年
《「強者には卑屈に恭順し、弱者には徹底して横暴に振舞うのが、人間の信奉する力の論理なんだ。おれは、もう彼らにつけこむ隙を与えはしない!」
狼人間犬神明少年が愛する唯一人の女性青鹿晶子は、CIAに拉致され、救い出されはしたものの、意志を失った廃人になった。そして監禁中に犯された彼女は妊娠し中毒症を併発して今や死に直面していた。これまで、強靭な狼人間の力を耐えることのみに費やしていた犬神明だが、晶子の危機を救うため、遂に卑劣な人間たちの暴力と戦う決意を固めるのだった……。
世界最大の諜報機関CIAの極東支部への潜入を図る少年犬神明の活躍を描いた傑作。》
平井和正『狼のレクイエム 第二部』角川文庫・1982年
《侵入者を徹底的に拒むCIA極東支局の建物。ロケット弾攻撃にも耐えうる核シェルターに覆われた屋内には、恐怖の殺人システムが配備されている。
しかし、瀕死の青鹿晶子を救う道は、この建物のどこかにあるはずの解毒剤を捜し出す以外に方法はないのだ。
中国情報部虎部隊の虎4を伴い、狼人間犬神明は、満月期の凄じいパワーを発揮して内部へ突入した。二人はコンピューター・ルームを破壊して支局の機能を麻痺させ、追いすがる保安要員を蹴散らして、支局長ハンターに迫った。だがそれも束の間、予備の装置が作動し二人は退路を塞がれてしまった! 全編に溢れる強烈なサスペンス。読者待望の第二部、ついに刊行。》
小川国夫『悠蔵が残したこと』角川文庫・1973年
《ここに収められた九つの短篇は、作者自身のひそかな配慮によって、三つの作品群に分けられていることに、私たちは気づかされる。その第一は、「悠蔵が残したこと」「影の部分」「違約」の作品群で、いずれもが、何か暗い、罪の匂いのする生または性の衝動に突き動かされて生きようとする女性を主人公としている。第二は、老聾の画家ゴヤに触発されて想を得た「サラゴサ」「大亀のいた海岸」及び「アフリカン・ナイト」の三作品群で、かつて氏が、憂愁の心を抱いてヨーロッパの各地をさまよったときの体験を基調として発想されたものである。そして最後に置かれた三篇の作品群は、氏が深く愛着する河口や港町に定着して生活している、郷里の隣人たちを主人公とするものである。
――森川達也・本書解説より――》
収録作品=悠蔵が残したこと/影の部分/違約/サラゴサ/大亀のいた海岸/アフリカン・ナイト/港にて/河口の南/入江の家族
赤江瀑『花酔い』角川文庫・1986年
《京都郊外の修学院離宮つづき山のふもとに住む驍彦は教育大学の体育教官、古城町の靖二郎は配膳師。高台寺の料亭「一蝶」の女主人醍子、木屋町のクラブ「シャガ」のママ東子。四人は何かあると一緒に行動する仲好しだが、それぞれが母を異にするきょうだいである。醍子の悪相の印鑑を日本印章大社へお払いに行った帰り道、深草僧坊山の行者道の竹林に死体を見つける。
その日以来、四人の生活に不可解な出来ごとが次々と起こる。
賑やかに咲き乱れるジギタリスに、花酔いしたかのように乱れる四人の微妙な関係が、京の四季の中で、愛の輪舞となって揺れうごく。
京都を描く、赤江瀑の新境地。》
高橋源一郎『虹の彼方に』新潮文庫・1988年
《「面白くない」と背番号7の宇野人形は文句をつけた。「あいまいだわね」と『石野真子』ちゃんも同調した。「うるさい、どんな話をしようとわたしの勝手だ」――というわけで、お話は続きます。信じようと信じまいと9人の金子光晴、アメリカに行くための地図、伊藤整の「日本文壇史」、「ハッピイ・エンド」など、文学史上初の豪華8大付録つきで贈る、ポップでキュートなポストモダン新物語。》
利岡正人『詩集 危うい夢』ふらんす堂・2016年
《◆最新詩集
◆「夢の見方」より
生い茂った草木と
降下物の夢を見ている
この地表に新たな層を重ねようと
だが長い時を経ても
堆肥にはなれない
光の屑に埋もれ
手つかずのぼくは総毛立っている》
五百香ノエル『それはスキのせい』アイス文庫・2001年
《虎ノ介は大ショック! 5年ごしのルームメイト・生徒会長の一条が、女と歩いていたらしいのだ。それも色っぽい年上の女と…!! 今までなーんにも話してくれなかったし、女っ気も(トラには)感じられなかったのに…。そりゃ、口に出して「親友」とか言ったわけじゃない。でも! トラは信じていたのだ。…でも、なぜかトラは自分がイライラしている理由がそれだけではない気がして――。他に「これもセンセイのせい」も収録。ハッピーエンドだよ♡》
chi-co『物の怪天国』白泉社花丸文庫・2013年
《人間界とあやかしの世界との、時空の狭間にある扉の管理人――通称『鍵』。ある日突然「お前がそれだ」と断じられて、天宮巴は唖然とした。しかも『鍵』の守護者だかなんだか知らないが、無駄にキラキラした三人のあやかしたち――夜叉、鬼、天狗に護衛代として性交まで要求され、「はっ? むしろこっちに金払えって話だろ!?」抵抗したが、不条理なことに拒否は棄却。――くそっ。なら、あやかしから金を取ってやる。通行料は百万円!? 珍妙&エロスな、契約ライフ❤》
カンタン・メイヤスー『有限性の後で―偶然性の必然性についての試論』人文書院・2016年
《この世界は、まったくの偶然で、別様の世界に変化しうる。
人文学を揺るがす思弁的実在論、その最重要作、待望の邦訳。
序文:アラン・バディウ
「カンタン・メイヤスーの最初の一冊にして代表作である本書は、さほど長いものではないが、濃密に書かれた書物だ。アラン・バディウが序文で述べるように、これは一種の「証明」の試みに他ならない。何を証明するのか。ひとことで言えば、事物それ自体を思考する可能性があるということの証明である。カントの用語を使うならば、本書は、私たちを「物自体」へ向けて改めて旅立たせるものである、と紹介することもできるだろう。」(訳者解説より)》
佐藤榮市『詩集 フラミンゴ キイ』蒼天社・2016年
《手毬して この世と あの世が 透きとおる かたむく人が 鳥となり おおきな風を かかえこむ(「手毬して」より) 約30年、ずっと俳句の宇宙に遊んできた著者が、還暦を過ぎて再び作り始めた詩をまとめる。》【「TRC MARC」の商品解説】
牧山とも『美・MENSパーティ この美メン、ヘタレにつき』学研もえぎ文庫・2009年
《誰もを虜にするスペシャルな美貌「しか」とりえのない超絶ヘタレ男・海老原慶士は、リストラされ、妹の家に居候中。妹はなんと売れっ子BL漫画家で、慶士はアシスタント兼パシリとして扱き使われていた。そんなある日、BLカラー原稿を別部署のイケメン編集者に渡す……という大失態を! しかもその相手・高木と、妹の主催する『美の補給』パーティで再会してしまい!? うろたえる慶士とは逆に、高木は興味津々で近づいてきて……。》
砂月花斗『機上の恋は無情!』文芸社ピーチ文庫・2013年
《さあ、到着です。飛行機も、あなたも―
ロンドンへの機上、飛行機恐怖症の市ノ瀬潤に優しく語りかけてきたのは、美貌の青年実業家・黒瀬武史だった。離陸とともに廻り始める二人の運命の歯車。怯える潤に黒瀬が仕掛ける淫らな行いは、紳士の国で繰り広げられる出来事のプロローグに過ぎなかった。凌辱と教育のはてにたどり着く愛の行方は!?》
《落丁のお詫びとお知らせ
小社2月15日創刊ピーチ文庫『機上の恋は無情!』(砂月 花斗・著)に落丁があることが判明しました。ご購読の皆様に大変ご迷惑をおかけ致しまして、心よりお詫び申し上げます。
落丁箇所は以下の通りです。
●127ページ、199ページの挿絵の後、それぞれ1ページ分落丁しております。》
福永武彦『小説の愉しみ』講談社・1981年
《すべての人は死ぬものだが、そして死はその人間に関する記憶の消滅の発端をなすものだが、この一冊の面白い本は福永の人生で、最もよく生きていた時間の雰囲気を、今もなお、生まなましく再現させてくれるのである。(中村真一郎「あとがきに代えて」より)》
トーマス・ベルンハルト『消去(上)』みすず書房・2004年
《オーストリアの作家トーマス・ベルンハルト(1931‐1989)の代表的長編小説をここに刊行。主人公フランツ‐ヨーゼフ・ムーラウが両親と兄の死を告げる電報を受け取るローマの章「電報」と、主人公が葬儀のために訪れる故郷ヴォルフスエックを描く章「遺書」からなる本書は、反復と間接話法を多用した独特の文体で、読者を圧倒する。ベケットの再来、20世紀のショーペンハウアー、文学界のグレン・グールド。挙げ句には、カフカやムジールと肩を並べる20世紀ドイツ語圏の最重要作家と評価されるベルンハルトとは、いったい誰なのか。》(「BOOK」データベースより)
トーマス・ベルンハルト『消去(下)』みすず書房・2004年
《家族の死を知らせる電報と告別式に至る数日間を描いた、独特の文体で綴られる長篇小説。主人公フランツ-ヨーゼフ・ムーラウが葬儀のために訪れる故郷ヴォルフスエックを描く章「遺書」を収録した下巻。》(「MARC」データベースより)
J・G・バラード『沈んだ世界』創元推理文庫・1968年
《世界は溺れていた。いや、より正確にいうなら、二十世紀に繁栄を誇った世界の主要都市は、ほとんど水の底に沈んでいた。六、七十年前から起こった一連の地球物理学上の変動により、地球の表面は、高温・多湿の水浸しの世界となっていた。国連派遣の調査部隊の一つ、リッグス大佐の率いるイギリス隊に加わった生物学者ケランズは、激変した動植物の携帯を調べながら、水没した都市を次々に遍歴して行った…。六〇年代SFの新しい波を代表する旗手バラードの初紹介》
福島正実『救援隊』角川文庫・1975年
《「木星号遭難!」、緊急連絡を受けた月基地から、宇宙船ルレーナシアン号がただちに救助に向かった。乗組員はガガーリン大佐が率いる、シンペイたち宇宙飛行練習生だ。
途中、隕石に衝突しレーダー破損の致命傷を負ったが、決死の修理作業でこの危機を脱出。だが、ようやく遭難地点にたどり着いた彼等を待っていたのは……。
勇敢な少年宇宙救援隊の活躍を描くジュニアSFの傑作。》
収録作品=救援隊/暗黒のかなたへ/地底人オリガ
福島正実『就眠儀式』角川文庫・197年
《智子は部屋を見わたした。何もかも小綺麗に片づいている。もう何ひとつ整頓し忘れたことはない。三面鏡の前に立った彼女は、衣服を足もとに脱ぎ落として全裸になった。そして新しい下着を身につけ死装束をまとう。
「きれいに死にたい」その意識が好きなブランデーの最後の一杯を拒んだ。彼女はガス栓をひねるとベッドに横だわった。就眠儀式は終ったのだ。青くさい、甘ったるいガスが肺の中へ流れこんでいく。ちらと目をあげると朝の光がひろがりつつあった……。
SFの発展に偉大な功績を残した、故福島正実追悼の遺作集。》
収録作品=就眠儀式/過去/子よ、すこやかに/ある晴れた日に/ベム/アイ/ゴールデン・ウィーク/愛の映像/人間そっくり/雪ぞ降る/文化財/見果てぬ夢/うつるぞ/月の女神/幻視/ドリーム劇場/嘘計算器/予後否定/時間旅行者/夢の家/万博に行こう/フリーセックス/サブ・エーテル魔/話か酔いか/目覚めのまえ/目まいの時代/終わりの日/外は嵐/心霊写真/予感/ナンバー・クラブ/冷凍保険/供養/災厄の日/シルバーシート/ハレム/事故/出してくれ/長寿福祉法/同窓会/メトセラの夢/蒸発/そのとき、男がいなかった/悪戯坊主/ロマンの再生/ノックの音/殪れてのち已む/犬の目/いまもどこかに……/こんな空虚な――
吉田秀和『レコードのモーツァルト』中公文庫・1980年
《限りなく美しく奥行の深い
モーツァルトの音楽と
さわやかに響き合うエッセイ。
レコードを聴く喜び
選ぶ楽しみとともに
かけがえのない精神の愉悦へと
読者を誘う好著。》
ブルース・フィンク『「エクリ」を読む―文字に添って』人文書院・2015年
《ラカン『エクリ』(1966年)の初めての完全版英訳者ブルース・フィンクによる、忠実な読解。》
斑鳩サハラ『Pretty Baby』B‐PRINCE文庫・2008年
《嵯峨山南学園高校生徒会長・日浦騎一。容姿端麗・頭脳明晰と超カンペキな彼は、誰にでも優しくて全校生徒の憧れの的❤ なのに、俺・遠野小太郎には冷たいってどーゆーこと!? そんなある日、釣りに出かけた俺は海に取り残される大ピンチに! そのとき助けに現れたのは!? 保健室・ラブホ・着物H❤美形生徒会長の濃密エッチと甘い愛が満載❤ 学園ラブの最高峰Pretty Babyシリーズが単行本初収録作品を加えて登場!!》
収録作品=今夜は大漁!/Pretty Baby/正しいお正月の過ごし方
斑鳩サハラ『Pretty Baby2』B‐PRINCE文庫・2008年
《夏休み、日浦会長の別荘に行くことになった俺・遠野小太郎は、大好きな釣りをしたり、一緒にお風呂に入ったり、エ、エッチまでしちゃったり(小声)、あま~いラブバケーション中❤ なのに、美貌の保健委員長や会長の婚約者(!)と名乗る絶世の美女が現れて大波乱!? おまけに「悪い子にはお仕置きが必要だ」なんて会長は俺をベッドに押し倒してとんでもないことを…! 学園ラブの最高峰Pretty Babyシリーズ第2弾!!》
収録作品=二人美男/華麗なる稲葉姉弟の誘惑/おまけ
手塚敦史『1981』ふらんす堂・2016年
《◆第五詩集
あることの悲しみのため、小さな字で書き込んでおいたわたしとは、誰か誰でもないものを指す一人称なのかもしれない。(「あとに」より)
◆「再訪」より
二人でいるよりも一人でいたほうがよい
一人でいるなら一度は夜の森の奥へ、入って行くとよい
いつしか暗やみをおそれ─
…抱くことを覚え、身の竦む思いをするようなら後ろへだんだんと、引き返して行けばよい
何かにみられている
通行人のテンポに合わせ、アザレアの来たほそみちに灼ける皮ふの痛覚─》
日影丈吉『夕潮』東京創元社・1990年
《潮の息吹き
戦前、私は伊豆の島で三月ばかり暮した。主に新島と式根島である。いまのように若い人達がサーフィンなどしに押しかけない、東京の人はまだ誰も出かけない頃だった。私の島が好きなのは、島の海の水平線は本土で見るよりも遠く、見る眼の位置が低いために、島が海に包まれている感じのせいではなかろうか。潮のみちひきも自然の動きというより、われわれの体の中に起ることのように感じられる。 著者》
岡本太郎『原色の呪文―現代の芸術精神』講談社文芸文庫・2016年
《独創的な芸術作品のみならず、優れた芸術論やエッセイも多数遺した岡本太郎。1968年刊行の『原色の呪文』から、現代芸術に関する文章を抜粋、「黒い太陽」「わが友、ジョルジュ・バタイユ」「対極主義」「ピカソへの挑戦」「坐ることを拒否する椅子」「芸術の価値転換」「モダーニズム克服のために」などを収録。若き芸術家たちに絶大な影響を与えた芸術論の名著。》
清水俊彦『ジャズ・アヴァンギャルド―クロニクル1967-1989』青土社・1990年
《20世紀を駆けぬける芸術のラディカリズムとして、ジャズの先端に孕まれたアヴァンギャルドは、さまざまな実験・解体・再生をかさね、つねに同時代の芸術に対し、鮮烈な挑発者でありつづけている。音楽の冒険者たちが到達した極点をたどり、その地平にジャズの新しい動向を予見。》(「BOOK」データベースより)
石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』講談社現代新書・2015年
《なぜ文明国ドイツにヒトラー独裁政権が誕生したのか?「人類の歴史における闇」ともいえるヒトラー政権時代。その数々の疑問に最新研究をふまえ、答える!ヒトラーの実像からホロコーストの真実までを描く決定版! 》(「BOOK」データベースより)
奥彩子・西成彦・沼野充義編『東欧の想像力―現代東欧文学ガイド』松籟社・2016年
《20世紀以降の現代東欧文学の世界を一望できるガイドブック。
各国・地域別に、近現代文学の流れを文学史/概説パートによって概観するとともに、重要作家を個別に紹介します。
さらに、越境する東欧文学・東欧をルーツとする文学も紹介し、より広い視野で、東欧の文学を捉えていきます。》
森本あき『子羊ちゃんのレジスタンス』ダリア文庫・2010年
《『強さこそ正義』をモットーとする超お坊ちゃま校・水火土学園。高校2年生の紫月は、この学園で最も権力を持つ生徒会長に五年連続君臨する穂積がムカついてしょうがない。どうしても生徒会役員になりたい紫月は穂積に指名してもらうため、彼の唯一の汚点である幼少の頃のネタを使い脅しをかけるが、逆に陵辱され脅されてしまう。なんとしても穂積に一泡吹かせたい紫月だが…!? 》
水島忍『セーラー服男子★学園潜入捜査』もえぎ文庫ピュアリー・2009年
《見習い探偵の荻野幹也(20)探偵事務所の所長である伯父に命じられたのは、高校への潜入捜査。女子生徒に扮して、ある生徒の素行を調査せよとのご命令だ。セーラー服に身を包み、周囲に正体がバレないかとヒヤヒヤしながら学園生活を送る幹也だったが、そんな彼に学園の美形理事長・芹澤が急接近! 身を潜めなければいけない場面に現れてはHな悪戯をしかけ、幹也のカラダを徹底調査!?》
吉増剛造『何処にもない木』試論社・2006年
《「何処にもない木」に導かれて、詩人はアイルランド、インド、チェンマイ、函館、沖縄へ。「世界の端」へと向かい、廃星に聞き、死者にささやき、夢の中に歩を進める…。孤独な魂の彷徨を記録した「幻の詩集」。》(「MARC」データベースより)
森本あき『身代わりコイビト』学研もえぎ文庫・2010年
《「私、お嫁にいくの」……まだ高1な上、生まれつき病弱な妹の突然の結婚宣言に、兄・唯歩はキレた。相手は36歳の開業医で、どうやら妹の主治医の友人らしい。そんなロリコン野郎に妹を渡せるか! と相手の仕事先に乗り込んだところ、「きみが身代わりになるなら、手を引いてやってもいい」と言われてしまい!? 妹のため、あえて「痛い思い」を決意した唯歩だが、実はその相手・野田とは小さい頃に出会っていて……?》
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