今月は眠気がひどくて、あまり読めず。再読が多い。
装幀的には、川又千秋『天界の狂戦士』、豊田有恒『異次元神話』、田中光二『アッシュ―大宇宙の狼』、ホーガン『ガニメデの優しい巨人』『未来の二つの顔』といった本がみな加藤直之のカバー絵で、他に久々の再読、石川淳『普賢』、開高健『オーパ!』も懐かしい物件。
ブログの仕様がまた若干変わったらしくて、今まで引用部分に使っていたイタリック体が読めた代物ではなくなったため、使うのをやめた。
グスタボ・ファベロン=パトリアウ『古書収集家』水声社・2015年
《ジャーナリスト、編集者でもある言語学者が、北米産ミステリーと60年代南米小説の実験精神を融合させた驚異のデビュー作! 》(「BOOK」データベースより)
フローレンス・ウィリアムズ『おっぱいの科学』東洋書林・2013年
《進化、環境衛生、遺伝子、授乳、がん、豊胸―現代アメリカに生きる女性が文明批評的にからだの仕組みの自然・不自然を科学する、ちょっと気になる「まじめな話」。》(「BOOK」データベースより)
【書考空間】おっぱいの科学/フローレンス・ウィリアムズ (著), 梶山 あゆみ (訳) | TIME LINE-今日のニュースと考えるヒント - TOKYO FM 80.0MHz
宇沢弘文『宇沢弘文の経済学―社会的共通資本の論理』日本経済新聞出版社・2015年
《宇沢弘文の出発点は、社会的弱者への思いだった―。「自動車の社会的費用」「ヴェブレン論」「地球温暖化問題」などの幅広い論考を、到達点である社会的共通資本に即して総括したウザワ・ワールド凝縮の一冊。》
幸田露伴『芭蕉入門』講談社文芸文庫・2015年
《俳諧の味わい方、七部集の概観から個々の句の鑑賞まで。太田水穂らの「芭蕉研究会」の談話筆記をまとめた貴重で大胆・明快な芭蕉論。》
都甲幸治『生き延びるための世界文学―21世紀の24冊』新潮社・2014年
《タオ・リン、アレハンドロ・サンブラらの新鋭から、J・M・クッツェー、トニ・モリスンらの大御所まで。世界文学の「いま」を伝える最速・最強のガイド、待望の第二弾。文句なしに面白い21世紀の24冊の紹介に加え、著者自身の世界文学との出会いを明かすエッセイ、ジュノ・ディアスの未邦訳短篇「モンストロ」を特別収録。》(「BOOK」データベースより)
ヴァージニア・ウルフほか/利根川真紀編訳『[新装版]レズビアン短編小説集』平凡社ライブラリー・2015年
《まだ女性どうしの愛が「口にだせなかった」十九世紀末から二十世紀前半。切なさ、絶望、驚き、そして喜び―女性あるいは男女両方のパートナーを持った女性作家たちが描く、深くて複雑な女どうしの物語十七編。小説を読む幸せが詰まった珠玉のアンソロジー。》(「BOOK」データベースより)
収録作品=マーサの愛しい女主人(セアラ・オーン・ジュエット)/ライラックの花(ケイト・ショパン)/トミーに感傷は似合わない(ウィラ・キャザー)/シラサギ(セアラ・オーン・ジュエット)/しなやかな愛(キャサリン・マンスフィールド)/ネリー・ディーンの歓び(ウィラ・キャザー)/至福(キャサリン・マンスフィールド)/エイダ(ガートルード・スタイン)/ミス・オグルヴィの目覚め(ラドクリフ・ホール)/存在の瞬間(ヴァージニア・ウルフ)/ミス・ファーとミス・スキーン(ガートルード・スタイン)/無化(デューナ・バーンズ)/外から見た女子学寮(ヴァージニア・ウルフ)/女どうしのふたり連れ(ヘンリー・ヘンデル・リチャードスン)/あんなふうに(カースン・マッカラーズ)/なにもかも素敵(ジェイン・ボウルズ)/空白のページ(イサク・ディーネセン)
開高健『オーパ!』集英社文庫・1981年
《世界最大の流域、褐色の甘い海、史前的世界を秘める大河アマゾン。その水底に棲む名、怪、珍、奇さまざまの魚たち。殺し屋ピラーニャ。跳躍するトクナレ。疲れを知らぬファイター黄金魚。そして淡水最大の巨魚ピラルクー。驚きを求めてさまようこと60日、16,000キロ。 解説・菊谷匡裕》 ※裕=ママ、正しくは祐
石川淳『普賢』集英社文庫・1977年(芥川賞)
《頽廃と汚辱にみちた日々を無気力に生きる「わたし」の前に、長い間恋いこがれてきた旧友庵文蔵の妹ユカリが、特高警察に追われ、呪詛にみち、荒んだ姿であらわれる。戯作派といわれる著者が大胆に危機感を現出して、絶望からの再生を描く。第四回芥川賞を受けた表題作の他、処女作「佳人」ほか「葦手」「秘仏」を収録した初期短編傑作集。
解説・佐々木基一》
豊田有恒『異次元神話』集英社文庫・1985年
《深夜の首都高速で南メラニア共和国大統領が超小型原爆で暗殺された。偶然事件を目撃したルポライター・八巻一郎は、強大な核エネルギーを浴び、超能力を持つ異次元市民になった…・。金髪美人の執拗な誘惑、最新兵器を使った大量殺人と次々起こる不可解な出来事は、やがて彼を超能力者集団の凄絶な闘いに巻き込んでいく…・。壮大なスケールで描く長編アクションSF。 解説・川又千秋》
川又千秋『天界の狂戦士』角川文庫・1985年
《月はあまりにも美しく、そして驕慢だった!
月に住む支配者〈天帝〉に妻を奪われ、片腕を斬り落された男、雷。村を追われ、あてどない旅に出た彼を待ちうけていたのは、長く続いた戦争で荒れ果て、死にかけた大地と、狂気の超軍団だった……。
闘いに傷つき、倒れた雷。だが彼は、復讐のため、自らの肉体を捨て去り、サイボーグの超戦士として蘇った!
男の愛と友情、そして復讐の熱き心を、鮮烈なイマジネーションでパワフルに描く、冒険SFの金字塔!》
田中光二『アッシュ―大宇宙の狼』講談社文庫・1980年
《SF界の俊英がおくる、スペース・オペラ+ヒロイック・ファンタジーの傑作。惑星ミロシスの灰の中から復讐を誓って蘇った戦士アッシュ、齢300年に達する観照者ルカン、惑星シャルミラの美貌の精神感応者ルーラの3人は、官能者アミンの力によって3000年前のテス王国の女王を救うため、過去への旅に出る……。》
ジェイムズ・P・ホーガン『ガニメデの優しい巨人』創元SF文庫・1981年
《木星最大の衛星ガニメデで発見された二千五百万年前の宇宙船。その正体をつきとめるべく総力をあげて調査中の木星探査隊に向かって,宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。隊員たちが緊張して見守るうち,ほんの五マイル先まで近づいたそれは,小型の飛行体をくり出して探査隊の宇宙船とドッキング。やがて中から姿を現わしたのは,二千五百万年前に出発し,相対論的時差のため現代のガニメデに戻ってきたガニメアンたちだった。前作「星を継ぐもの」の続編として数々の謎が明快に解明される!》
ジェイムズ・P・ホーガン『未来の二つの顔』創元推理文庫・1983年
《レイモンド・ダイアー博士はニューヨーク市立大学で人工知能の研究をしていたが、月面の工事現場で起きた重大な事件のために、その研究の中断を申し渡された。コンピューターが誤った判断を下したため、五人の人間が危うく殺されるところだったのだ。人工知能研究の重要性を信ずるダイアーは、コンピューター管理システムの安全性を確かめるべく、宇宙空間に植民地として建造された巨大宇宙ステーションにおける壮大な規模のシミュレーションを提案した……。ハードSFの第一人者ホーガンが卓越した科学知識を傾けて描コンピューターSF!》
阿刀田高選『恐怖の森』福武文庫・1989年
《何故かは知らねど震えが止まらない。江戸川乱歩、中島敦、島尾敏雄、半村良など13人の作家の怖い話をジャンルを超えて集めました。実存の恐怖、人生の不思議な綾の恐ろしさ、様々な恐怖が横溢する森の中へ一歩足を踏み入れたら、もう抜け出せません。》
収録作品=箪笥(半村良)/老後(結城昌治)/木乃伊(中島敦)/ひかりごけ(武田泰淳)/セメント樽の中の手紙(葉山嘉樹)/くろん坊(岡本綺堂)/芋虫(江戸川乱歩)/マッチ売りの少女(野坂昭如)/大鋏(島尾敏雄)/驟雨(三浦哲郎)/ぬばたま(柴田錬三郎)/蛇(阿刀田高)/ガラスの棺(渡辺淳一)
神林長平『ルナティカン』光文社文庫・1988年
《月面都市の地下深く、楽園を築き、そこに生きる人々―ルナティカン。彼らは、地上に往む月人から隔絶され、蔑視を受けていた…。
巨大企業に利用されてアンドロイドの両親に育てられる少年・ポールは、自分がルナティカンであることを知り、驚愕する。地下世界行きを決意した少年は、冒険に旅立った。珠玉の傑作長編SF!》
田中久文『日本美を哲学する―あはれ・幽玄・さび・いき』青土社・2013年
《移ろう四季の自然と暮らし、人と人との出会いや別れ…、日本人の生はいつも美の発見とともにあった。この国に生きる私たちにとって、美に対する感動は常に自らの存在や世界との関係性をみつめなおす契機となってきた。和辻哲郎、九鬼周造、大西克礼、岡倉天心といった近代日本の知の巨人たちの言葉を通じて、伝統的な美意識や、和歌、俳諧、茶の湯、能、浄瑠璃、建築、仏教美術など数々の芸術美の根底に流れる思想をつかむ。》(「BOOK」データベースより)
太田昌克『日米「核密約」の全貌』筑摩選書・2011年
《深い闇に包まれてきた日米「核密約」―。その存在が指摘されながらも自民党政権は一貫してこれを否定してきた。唯一の被爆国であるにもかかわらず、なぜ日本政府は国民を欺いてまで、米国による核の持ち込みを黙認してきたのか?民主党政権による日米密約調査の引き金を引いたジャーナリストが、日米双方の関係者一〇〇人以上の証言と、膨大な数に上る一次資料を駆使し、その真実に迫る。密約解明の決定版。今なお米国の「核の傘」の下にあるわが国の、将来の安全保障を考える上でも必読の書である。》(「BOOK」データベースより)
ミシェル・フーコー『知の考古学』河出文庫・2012年
《あらゆる領域に巨大な影響を与えたフーコーの最も重要な著作を気鋭が四十二年ぶりに新訳。伝統的な「思想史」と訣別し、歴史の連続性と人間学的思考から解き放たれた「考古学」を開示した記念碑的名著。》
ジャック・デリダ『エコノミメーシス』未来社・2006年
《カントの「美の分析論」の言説を丹念に追いつつ、そこにひとつのポリティカル・エコノミーが作動している内実を、脱構築的読解をつうじて明らかにする。瑞々しく才気煥発な思考が炸裂する1975年の単行本未収録論文。》(「MARC」データベースより)
加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』朝日出版社・2009年(小林秀雄賞)
《かつて、普通のよき日本人が「もう戦争しかない」と思った。世界最高の頭脳たちが「やむなし」と決断した。
世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争は
きまじめともいうべき相貌をたたえて起こり続けた。
その論理を直視できなければ、かたちを変えて戦争は起こり続ける。
だからいま、高校生と考える戦争史講座。
日清戦争から太平洋戦争まで。講義のなかで、戦争を生きる。》
高銀・石牟礼道子『詩魂』藤原書店・2015年
《韓国と日本を代表する知の両巨人
文学とは何か、人間とは何かについて魂を交歓させ語り尽くした三日間。》
川又千秋『水夢 Swim―不思議小説コレクション』アスペクト・1995年
《「見ろよ、豚が空飛んでらあ」 ピンクの子豚が耳をパタパタさせながらお濠の上を渡っていく…。日常から非日常へうつろう不可思議な印象を残す11篇。》(「MARC」データベースより)
収録作品=ぼくはロボット/大王を待ちながら/路傍の罠/地球空洞説/水夢/アインシュタイン保護区の密猟者/豚が翔んでいる/地獄塾/来たれ、超人類!/企業戦士クレディター/不思議もものき探検隊
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開高健 神秘の氷河湖に謎の巨大魚を追って
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