2015年
ふらんす堂
『葉脈図』は山崎祐子(1956 - )の第2句集。2004年以降の句を収録。
著者は「風」同人を経て、現在は「りいの」編集同人、「絵空」同人。民俗学者。
東日本大震災後、いわき市復興支援活動を始めざるを得なくなった「プロジェクト傳」の東京事務局代表でもあり、山崎さんらの企画による、数次にわたるいわきツアーでは、私もお世話になっている。作品集『いわきへ』(発行:四ッ谷龍)はこのツアーから生まれた。
猿出でて椿の蜜を吸うてゆく
かぶと虫祝詞の席に落ちて来し
フォッサ・マグナ太き銀漢立ち上がる
箱庭の真つ赤な橋の置きどころ
空の罅より風花の生まれしか
春焚火反古をくべれば音変はる
福笑ひどこに置いても目が笑ひ
露踏んでじやんがらの鉦打ちに打つ
蜆汁神保町の灯が好きで
風鈴を百年同じ釘に吊る
獣臭き台風の目の夜空かな
金環蝕果て桟橋に大蚯蚓
火の切つ先なぶり枯菊投げ入るる
復興を言へば激論春焚火
人影へするすると伸び春の波
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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2015.4.26 いわき市立 豊間中学校
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