2015年
本阿弥書店
『続大和茶粥』は吉川一竿(1924 - )の第2句集。第1句集『大和茶粥』(1989年)以後の句から487句を収録。
吉川一竿は阿波野青畝、森田峠に師事、「かつらぎ」特別同人。
《その頃軍隊に入るということは百パーセント死を意味していた。(中略)私の中学時代の同級生には(中略)戦艦大和と運命を共にした友人が四人も居た。》(あとがき)
立秋の門に公案掲げけり
壺焼のことと傾き匂ひけり
障子すぐ閉められ古今伝授の間
原爆忌吾広島に兵たりし
柳散る太極拳の触れずとも
ぬくめ酒添へられ雨の奈良茶飯
伐りし角影くつきりと置かれけり
路地流しゐる数人や風の盆
玉の日の雲を出でけり樹氷林
ふくろふの顔の瞬時に消えにけり
海女小屋に育てし菊の入賞す
銃声の遠ちに谺す薬喰
蹴り甲斐のある大きさの梅雨茸
古き家の棚には古き蝮蛇酒
毒流し我が囮鮎浮かしけり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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茶粥の作り方
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