2015年
私家版
『朋哉句集』は若杉朋哉(1975 - )の第1句集。100部限定の私家版。
2013年から2015年の句、計182句を収録(本編100句+拾遺82句)。
あとがきの代わりに「句作のための覚書」なる作句信条的な一文が付く。
若杉朋哉は去年、第2回星野立子新人賞受賞。無所属らしい。
ひとつかみ春の寒さや魚のわた
春の寺しづかに濡れてゐたりけり
ばか貝を焙つてゐるや春の雪
花曇り厚く羊羹切りにけり
夏の月山をはなれしばかりかな
あきかぜやいつまでもある潦
大方は秋の野山となりにけり
道尽きて鳥と見てゐる秋の山
猫がゐて猫ゐなくなり秋の暮
何もなき十一月の予定かな
いつまでも空に日のある小春かな
日当たりの良いところには良い枯葉
たてかけてある雨傘の寒さかな
すこしづつ春になりゆく氷かな
以下 拾遺八十二句から
ねむさうなけむりのなかの蜜柑かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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