2015年
角川書店
『能面』は加藤国子(1960 - )の第1句集。序文:寺島初巳、跋:加藤哲也。
加藤国子は「蒼穹」同人。
小手毬の土塊に今触れてゐる
夏芝居台詞少なき主人公
秋の蚊や白鍵盤に影引きぬ
草の実を持つ教へ子と立ち話
豆まきの声に野良猫身を隠す
昼寝して椅子の絵ばかり眺めをり
初鴉賽銭箱を見つめをり
落葉にも旬があるなり陣屋跡
家康の遺訓の屏風炉を開く
春雷の曲がりくねりの道遠き
漢詩読む声朗々と水澄みぬ
夏衣方程式を解くごとく
壺風呂の頬になびきし青嵐
神の留守螺旋階段登りくる
青黴に鼻炎も強くなる夜かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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