「鬣」(代表:林桂、編集:水野真由美)第53号(2014年11月)から。
特集は、《第四回「芝不器男俳句新人賞」第一次通過作品を読む》。
今年の3月11日に公開選考会が開かれた不器男賞の予選通過作に、鬣の同人9人(後藤貴子、佐藤清美、外山一機、永井貴美子、中里夏彦、林桂、深代響、水野真由美、吉野わとすん)が持ち点10点の配分投票し、論評(論評部分は、採点に参加しなかった上田玄が加わっているので計10人)。
得点結果が一覧表になっているのだが、トップは生駒大祐で21点、2位は山本たくや8点、3位は豊里友行、二木千里各7点となった。なお本賞・奨励賞の受賞者にも点を入れているのは中里夏彦のみなのでそれらは上位には来ていない。
月光寸借
殯の森の
我は
漏刻 上田 玄
父(ちゝ)は火口(かこう)に墜(お)つ
鹿(か)の子(こ)まだらの
けふの富士(ふじ)
めでたからんに
けふの富士(ふじ) 外山一機(「捜龍譚(どらごんくえすと) 旅立編」から)
のぼり立つ竈(かまど)の煙り花葵(あおい) 丸山 巧
空蝉が来る!
歩道橋が
消えた
朝 深代 響
たそがれて
薔薇寒(ばらざむ)の
窓(まど)
灯(とも)るかな 林 桂
胸襟をひらけば少女の木目見ゆ 後藤貴子
ブランショのお湯割りを呑む影たちよ 田中霆二郎
崩(くづ)れ落(お)つ
塔(たふ)は
泡(バブル)か
天使(てんし)の仕業(しわざ) 中里夏彦
鉛筆は削るがよろし秋の暮 堀込 学
外山一機の俳句時評は《「私は」「あなた」を必要としている。―佐藤文香について―》。
佐藤文香は第2句集が出たばかりだが、この時評は刊行前に書かれているはず。
編集後記から。
(芝不器男俳句新人賞について)《多種多様な作家を受容するシステムが同賞一本に限られているとすれば「読み手」「書き手」双方にとって極めて不幸で危険な事態であろう。》(堀込学)
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Roxy Music live in Frejus (1982) The High Road
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