2014年
草子舎
高橋修宏(1955 - )は俳人として『夷狄』『蜜楼』『虚器』の3冊の句集を持つが、詩人としても『呪景・断章』『夏の影』『水の中の羊』『空の庭+夏の影』『作庭記』と5冊の作品集を持っており、今回の詩集『MOTHER HOTEL』が6冊目となる。
詩誌「草」編集発行人、詩と批評誌「大マゼラン」、俳誌「豈」「風来」同人。
《この国の
蘭月の仔どもたちは、
まず爪を、そして髪を
きれいに剪りそろえられなければならない
下着はすべて脱がされなければならない
裸体の隅々まで洗い浄められなければならない
ときおり黄金の斧が振りおろされなければならない》(「黙契」冒頭)
《草花という草花を 木という木を焼き尽くし
危険区域を知らせる杭を 看板を焼き尽くし
放射能を吸いこんだ土を 空気を焼き尽くし
わたしとあなたのメモリアルを全て焼き尽くし
いま ひとつの火柱となるわたしたちの声
わたしたちにできるのは
ただ 呼びかけることだけ
三十万年後の美しい朝焼けまで
わたしとあなたが帰る
小さな庭が浄められる
その朝まで
轟轟と》(「火の庭 S・Sに導かれて」)
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Olivier Messiaen Improvisations
コメント
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