2014年
思潮社
野村龍(のむら・りょう)の詩集『Stock Book』には、作者のプロフィールは載っていない。
栞・野村喜和夫。
《古代魚は水底深く沈んでいく
誰もいないバス停が雨に濡れている
おやつの時間は切り取られて盗まれた
錆びた声が骨の歌にぬぐわれ
暦は部屋の隅で腐り始める》(「(古代魚は水底深く……)」)
《燃えながら息を吐き尽くして眠りにつこうとする静かな心臓の傍らで
濡れた四十雀の魂が 幾つも
遊び事のようにゆっくりと周回して
あの 鮮やかな旋法を切り裂いていく》(「囁き」)
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Carlo Gesualdo - Moro, lasso, al mio duolo
コメント
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