2014年
私家版
『微塵』は鈴木滋三(1932 - )の『初心』(1999)、『未完』(2004)に続く第3句集。
2004年から2013年の446句を収録。
鈴木滋三は「晨」「牡丹」「ホトトギス」を経て現在「円座」同人。
どくだみや何処かに蛇のゐる気配
やはらかき肩に触れたり初詣
燕くる大空の道知りつくし
鹿起きて草立ち直る花の昼
筍の天鵞絨の斑を剥かんかな
すり減りし母の硯を洗ひけり
輪飾りの藁かぐはしき新車かな
朝からの明るき雨や山桜
少年のこゑはソプラノ秋の水
古墳より子供のこゑや日短か
川なりに曲がる宿場や秋つばめ
グラビアの裸婦に火のつく焚火かな
天も地も膨るる思ひ百千鳥
花鋏見つからぬまま冬に入る
白といふ色は艶なり冬椿
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
*****************************************************
Genesis - Invisible Touch
コメントを投稿
コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。
アカウント情報
(名前は必須です。メールアドレスは公開されません。)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。