2014年
ふらんす堂
『斉唱』は亀割潔(1965 - )の第1句集。和田耕三郎の序句、千葉皓史の栞が付く。
亀割潔は「蘭」を経て「OPUS」所属。
先日「澤」7月記念号特集「50歳以下の俳人」で、労作「50歳以下の俳人220人」を編纂した上田信治さんが《小津夜景さんと岡田佳奈さんは入れるべきだった、とか(あと亀割潔さん、存じ上げなかった!)》と悔やんだ作者(私も知らなかった)。
焚かれしものつぎつぎ昇る初御空
われにある苦きはらわた花の昼
永日の航空写真海は昏き
また誰もゐなくなりたる簾かな
すつと腕伸びて雲指す立夏かな
東京に地平あり冬の雲湧けり
山眠る小石の中に川の記憶
高き枝に香る花あり原爆忌
血の味のして霜柱踏まれけり
くずきりの氷の淵の深さかな
缶詰の淡き刻印秋の風
新幹線車庫に入りゆく朧かな
水槽の鮫に秋風到りけり
闇夜より大き外套来たりけり
ひとりゆゑ微笑みあるく樟落葉
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Zelenka: Requiem pour Auguste II | Collegium 1704
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