2014年
青磁社
『双眸』は川口真理(1961 - )の第1句集。
川口真理は「ゆう」「雁坂」、同人誌「雁帛」を経て、現在「港」所属。田中裕明、中嶋鬼谷、大牧広に師事という経歴となり序文を大牧広が、跋を中嶋鬼谷が寄せている。
深い詩性と佳句の多さに一驚。
雑踏の中の青空黄水仙
戻りたる子どものしづか蛇の衣
悼田中裕明先生
逝く年の空に解く紐ありにけり
水中のものよく見えて更衣
亡きひとのうしろに昼の雪解水
港より昏きショールを巻きにけり
少年の裾のきしみや浮寝鳥
新しき傷に日の射す桜貝
湖底よりつめたき小鳥来てゐたり
桜餅したしき影の差しにけり
夫
骨肉の透きてゆきたる十二月
葱買うて木村拓哉のさみしき目
万物は坂に朽ちたる秋の暮
かたまつて鹿の消えゆく雛祭
胆力は遠景に置き根深汁
田中裕明うつすら映し浮寝鳥
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Carlo Gesualdo - Tristis est anima mea
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